「いや、一生貴方を思って生きる方が可哀想でしょ。
こんな風になるのなら、最初に梨花さんと桜田さんの浮気現場を見たときに口封じで、私を斬り殺してくれればよかったんですよっ。
武士の斬り合い見て、ぐはあっ、て殺される丁稚どんみたいにっ」
「ちょ、ちょっと設定についていけてないんだが……」
「貴方こそ、これで終わりだとか、この手を離してから言ってくださいよ」
と那智は自分の身体を抱いている遥人の手を叩いた。
そのとき、いきなり、
「どうでもいいから仕事行け、お前ら」
という声がした。
やっぱり、チャイムも鳴らさずに入ってきやがった。
そういえば、さっき、目覚ましが勝手に止まったと思ったら。
桜田が那智が開けたままにしていた戸口にイラついた顔で立っていた。
「朝っぱらからイチャつくな。
辰巳遥人っ、うちの那智に触るのなら、梨花と別れてからにしろっ」
まさしく、お前が言うな、だな、と思いながら、那智は桜田を睨む。
「那智、起きろ。
仕事行け。
お前の仕事が、ただスタンプ押したりするだけのくだらない仕事でも、俺は仕事をおろそかにする奴は大嫌いだ。
二人とも、珈琲でも淹れてやるから、身支度して出てこい」
桜田は言いたいだけ言うと、パタンと扉を閉めた。
こんな風になるのなら、最初に梨花さんと桜田さんの浮気現場を見たときに口封じで、私を斬り殺してくれればよかったんですよっ。
武士の斬り合い見て、ぐはあっ、て殺される丁稚どんみたいにっ」
「ちょ、ちょっと設定についていけてないんだが……」
「貴方こそ、これで終わりだとか、この手を離してから言ってくださいよ」
と那智は自分の身体を抱いている遥人の手を叩いた。
そのとき、いきなり、
「どうでもいいから仕事行け、お前ら」
という声がした。
やっぱり、チャイムも鳴らさずに入ってきやがった。
そういえば、さっき、目覚ましが勝手に止まったと思ったら。
桜田が那智が開けたままにしていた戸口にイラついた顔で立っていた。
「朝っぱらからイチャつくな。
辰巳遥人っ、うちの那智に触るのなら、梨花と別れてからにしろっ」
まさしく、お前が言うな、だな、と思いながら、那智は桜田を睨む。
「那智、起きろ。
仕事行け。
お前の仕事が、ただスタンプ押したりするだけのくだらない仕事でも、俺は仕事をおろそかにする奴は大嫌いだ。
二人とも、珈琲でも淹れてやるから、身支度して出てこい」
桜田は言いたいだけ言うと、パタンと扉を閉めた。



