かけなくてもいいのにかけていた携帯の目覚ましが那智の部屋で鳴り出した。
那智は遥人を見つめ、問うていた。
「……専務、なんで梨花さんと結婚しないといけないんですか」
絶対に訊かない方がいいとわかっていた。
でも、これ以上は見過ごせないとも思っていた。
遥人が自分の側から居なくなるからだけではない。
この人が明らかに追い詰められていっているからだ。
「もうやめることなんて出来ない。
俺が今までなんのために生きてきたのかわからなくなるから」
「私には話してくれないんですね?」
「話したら、止めるだろう?」
「話さなくても止めますよ」
遥人を見つめてそう言うと、
「じゃあ、お前とはこれで終わりだ」
と言われる。
「いいですよ。
私から離れて、不眠症で死ねばいいんですよ。
なんだかわからないけど、やらかす前に」
不眠症で死なないだろ、と横目に見られる。
「私は貴方の菩提を弔って一生生きますから」
と言うと、
「……後は追わないんだな」
と言われた。
那智は遥人を見つめ、問うていた。
「……専務、なんで梨花さんと結婚しないといけないんですか」
絶対に訊かない方がいいとわかっていた。
でも、これ以上は見過ごせないとも思っていた。
遥人が自分の側から居なくなるからだけではない。
この人が明らかに追い詰められていっているからだ。
「もうやめることなんて出来ない。
俺が今までなんのために生きてきたのかわからなくなるから」
「私には話してくれないんですね?」
「話したら、止めるだろう?」
「話さなくても止めますよ」
遥人を見つめてそう言うと、
「じゃあ、お前とはこれで終わりだ」
と言われる。
「いいですよ。
私から離れて、不眠症で死ねばいいんですよ。
なんだかわからないけど、やらかす前に」
不眠症で死なないだろ、と横目に見られる。
「私は貴方の菩提を弔って一生生きますから」
と言うと、
「……後は追わないんだな」
と言われた。



