起き上がろうとする遥人の背に頭を寄せた。
遥人がびくりと動きを止める。
「……一人で眠れますか?」
「大丈夫だ。
お前が此処に居ると思ったら、眠れる」
遥人はそのまま振り返らずに出て行った。
閉まった扉を見たまま、那智はじっとしていた。
ずっと嫌な予感がしていた理由。
もうわかっている気がする。
そして、もし、遥人が自分のことを少しは想ってくれているとするなら、それは決定的なことのような気がする。
彼はなにか理由があって、梨花に近づいたのだ。
それは恐らく、誰にも口にすることはできない類の理由だ。
那智はベッドの隅にある大きな白いウサギのぬいぐるみを抱き寄せる。
唯一、此処に残したぬいぐるみだ。
他のぬいぐるみはは、すべて片付けた。
最後に残っていたそのウサギを強く抱く。
どうしたらいいのかわからないこの不安を打ち消してくれないかと期待しながら。
だが、大人になりすぎた那智の心をぬいぐるみはどうにもしてはくれなかった。
『那智、大好きだよ。
離れていても、必ず、お前を見守っている――』
ぬいぐるみと一緒にもらった言葉も、今の那智を落ち着けることは出来なかった。
遥人がびくりと動きを止める。
「……一人で眠れますか?」
「大丈夫だ。
お前が此処に居ると思ったら、眠れる」
遥人はそのまま振り返らずに出て行った。
閉まった扉を見たまま、那智はじっとしていた。
ずっと嫌な予感がしていた理由。
もうわかっている気がする。
そして、もし、遥人が自分のことを少しは想ってくれているとするなら、それは決定的なことのような気がする。
彼はなにか理由があって、梨花に近づいたのだ。
それは恐らく、誰にも口にすることはできない類の理由だ。
那智はベッドの隅にある大きな白いウサギのぬいぐるみを抱き寄せる。
唯一、此処に残したぬいぐるみだ。
他のぬいぐるみはは、すべて片付けた。
最後に残っていたそのウサギを強く抱く。
どうしたらいいのかわからないこの不安を打ち消してくれないかと期待しながら。
だが、大人になりすぎた那智の心をぬいぐるみはどうにもしてはくれなかった。
『那智、大好きだよ。
離れていても、必ず、お前を見守っている――』
ぬいぐるみと一緒にもらった言葉も、今の那智を落ち着けることは出来なかった。



