遥人はなにも言わなかった。
那智は身体の向きを変え、天井を見る。
「王はたくさん女たちを斬り殺してきたけど、その中には、王の子を身ごもりかけてた女も居るんじゃないかと思うんですよね。
産まれて来なかった子供に対しては思うところないんですかね?」
「なんで、そんなことを思う」
「私が産まれ損ねるところだった子供だからですよ」
と言い、那智は目を閉じた。
「一歩間違ってたら、お母さんは、私を産まなかったかもしれない。
そう考えるときがあるからです。
……父と母は最初から上手く行きそうになかったカップルなので。
でも、私には父親は父親で、母親は母親なんですよね。
今、二人と一緒に暮らすことはないけど、それでも」
そうか、と遥人は言った。
しばらく黙ったあとで言う。
「俺はまたお前が妊娠したとでも言うのかと思ったよ」
「誰の子をですか?」
と目を開け、振り返る。
那智は身体の向きを変え、天井を見る。
「王はたくさん女たちを斬り殺してきたけど、その中には、王の子を身ごもりかけてた女も居るんじゃないかと思うんですよね。
産まれて来なかった子供に対しては思うところないんですかね?」
「なんで、そんなことを思う」
「私が産まれ損ねるところだった子供だからですよ」
と言い、那智は目を閉じた。
「一歩間違ってたら、お母さんは、私を産まなかったかもしれない。
そう考えるときがあるからです。
……父と母は最初から上手く行きそうになかったカップルなので。
でも、私には父親は父親で、母親は母親なんですよね。
今、二人と一緒に暮らすことはないけど、それでも」
そうか、と遥人は言った。
しばらく黙ったあとで言う。
「俺はまたお前が妊娠したとでも言うのかと思ったよ」
「誰の子をですか?」
と目を開け、振り返る。



