想いを残した距離に

私と大河は夏休みの他愛のない話をしながら教室に入った。


「おはよー!」


いつもは一番乗りの私。
でも今日は結と望のほうが早く来ていた。


「おはよう。どうしたの?こんな早く」


別に私は家を出る時間を遅くしたわけでもない。ってことは結達が早かったということだ。


「いやいや〜夏休みの宿題でわかんないところを望に教えてもらおうと思いまして」


確かに、机の上には夏休みの宿題が置いてある。


「だから結。そこはそうじゃないって。公式使ってさ」


「なるほど…」


なんか先輩と後輩…それよりも先生と生徒みたい。


「私のことを先生みたいだとか思ってるだろ?」


「えっ?なんで?」


「わかりやす…」


うう…望にまでわかりやすいって言われた…。そういえば月影くんにもわかりやすいって言われたんだっけ?
もうみんなから一回は言われてる気がする…。


「きゃー!東道くーん!おはよー!」


「月影くんもおはよー!」


廊下の方からそんな女子の叫び声が聞こえた。廊下の方を向くと幸くんと月影くんが女子に囲まれていた。


「ちょっと…教室入りたいんだけど」


「ええー。教室なんて楽しくないじゃん。このままうちらとサボらない?」