想いを残した距離に

「どうした?」


「今、恥ずかしいこと…言ったから…」


私は食べるのをやめて口を手で隠した。


「ん?そうか?」


「そうだよ…」


私は恥ずかしさを紛らわすためにパクパクとタルトを口に運ぶ。


「ご馳走様でした」

 
幸くんのタルトのお皿も冷やし中華と同じく綺麗に空っぽになっていた。私も自分のを食べ終わると、幸くんのお皿と一緒に
台所へ持っていった。


「幸くんはこの後…どうするの?」


「ん…どうしよっかな…」


決めてなかったんだ…。
できればまだいて欲しいけどわがまま通るわけないし…。


「渚は?どうするんだ?」


えっ?私?


「えっと…特にないかな?」


「んじゃあ…ちょっと外に出ない?」


「うん…?」


私と幸くんはご飯を食べた後、家を閉めて
外へ出た。


「眩しいね…」


外へ出ると雲ひとつない晴天が私達を迎え入れた。


「だな」


すると、幸くんは私にどこへ行くかも言わずそのまま歩き始めた。


「ちょ…幸くん…?どこ行くの?」