想いを残した距離に

「本当?無理とか…してない?私、少し塩っぽくしちゃって…」


「気にしねーよ。美味しいものは美味しい。それ以外に気にすることねーだろ?」


私はコクリと頷いて青い箸で麺を取り、幸くんと同じようにサッと食べた。


「渚ってさ…いつも俺達と壁作ってる?」


幸くんは食べる手を止めて私を見つめた。


「え?そんなつもりは…ないんだけど…」


みんなからはそういう感じに見られてるのかな?


「なんか喋るときも丁寧な口調だし、あんまり俺のこととか好きじゃねーのかな?って…俺、気になる人とかぐいぐいいくから」


「そ、そんな…嫌いになるなんて…。幸くんに会えたから…今こんなに楽しいって言っても過言じゃないのに…丁寧口調なのは癖的な感じで…」


「そ、そうか?なら良かった。今さらだけど俺、渚のこと何も知らないんだよな。
今日を機会に教えてくれね?」


「もちろんだよ!」


それからご飯を食べながら色んな話をした。好きなもの、好きな音楽、好きな教科、クラスのことをたくさん話した。


幸くんの手元を見ると冷やし中華のお皿が綺麗に空っぽだ。


「お皿…片付けてくるね」


「それくらい俺がやるよ」


「大丈夫だよ。お客さんなんだから座ってて、ね?」


私は自分と幸くんのお皿を手に持ち、台所へと向かった。


「なにか…デザートなかったかな?せっかくだし…」


私はまた冷蔵庫の中を探し始めた。