想いを残した距離に

「もう渚〜!!!!」


私と望ちゃんが話していると結がやって来た。


「置いて行くなんてひどいよ〜!」


結は頬をふくらませて疲れた様子を見せた。


「結が話し込んでたから邪魔になると思って…」


「なんでよ〜渚だってあの子達と一緒のクラスだったんだからあいさつぐらい…」


「そ、それに…苦手だったから…」


私はいろんな人と話すのが苦手。
それはもちろん、先生やクラスメイトにも当てはまる。


「そっか…あ、えっと…あなたは?」


結は頬を元に戻して椅子に座る望ちゃんに目を移した。


「上戸 望(ウエト ノゾミ)」


あれ?さっきと望ちゃん様子が違う?


「私は獅子村 結(シシムラ ユイ)って言うの!望ちゃんの前の席なの!よろしくね!」


もともとクールなのかな?


「ええ」


望ちゃんはそう言うとくるりと黒板の方を向いてしまった。