想いを残した距離に

扉を開けると目の前に出てきたのは東道くん本人だった。


「…なんだよ」


えっ?ちょっと怒ってる?
わ、私なにかしたのかな…どうし…


「名前で呼んでくれねーの?」


東道くんは私に頬を少し膨らませて私を見つめた。


わ、忘れてた…
会えないからいっかとか思ってたら
本当に忘れちゃったよ…。


「幸…?」


名前呼ぶのって意外に恥ずかしい…。


「やっと呼んでくれた」


いつもの東道くん…いや、幸くんに戻ってくれた。


「ご、ごめん…やっぱり幸くん…で」


こんなの恥ずかしくてクラスとかで言えないよ…。


「わかった。言える時に言えばいいからな」


言える時なんてきっとないと思うけど…。


「う、うん…。あの、お昼とか食べた?」


「ん?まだだけど…」


「よかったら…食べていかない?」


…って、何言ってるの私!
少し幸くん引いてるじゃん!


「いい、のか?」


「良ければ…だけど…前に…お弁当作るって…あ、お弁当じゃないから…えっと」