ば、バレた!?なんで?
好きだって言ったことあったっけ?
結にも望にも言ってないのに…。


私は周りの人にバレないように月影くんに顔を近づけてコソッと言う。


「なんで…わかるの…?」


「やっぱりですか…なんか東道を見る目が他の人と違うな…と…」


そんなにわかりやすいかな…。
確かに東道くんを前にすると顔赤くなるとは思うけど…。


「そう…なんだ…他の人にもバレてるかな?」


月影くんって恋とか興味ないっていうか…うん。そんな感じがしたんだけど意外と鋭い…。


「断定は出来ませんが…獅子村は気がついているのでは?」


やっぱり気づいてるのかな?
結なら気づいてても無理はないけど…。
でもみんな気づいちゃうってことは…幸くんに気づかれるのも…時間の問題。


「顔、赤いですよ?」


「つ、月影くんがそんなこと言うから…」

 
「もしかして誰にも言ってないのですか?」


私はしぶしぶ顔を縦に振った。多分、顔はりんごみたいに赤いんだろうな。


「内緒だよ…?」


私は口に人差し指を当てて月影にそう言った。


「ええ。わかってますよ。では、失礼しますね。ああ、そうだ。」


月影くんはそう言うと私の隣を素早く通り過ぎた。こんな言葉と共に…