私は落ちたきゅうりを拾ってきゅうりを入れるための袋に入れて、立ち上がった。


「もしかしてそのきゅうりを使うのですか?」


「うん。そうだけど?」


「衛生的に問題があると思われますが…」


衛生的って…水で洗うし…平気だと思うんだけど…。


「大丈夫。食べるのは私だけ…だし?」


「そういう問題では…」


大丈夫なのに…以外に心配性なんだね…


「本当に大丈夫だよ」


「そう、ですか…。須藤は何故ここに?」


「お昼の材料を買いに来たの。冷蔵庫の中身見たら何もなくてさ…月影くんも?」


「ええ。母の手伝いで」


お母さん…か…偉いなぁ…。
なんだか羨ましい…。
って何考えているんだか…
お母さんは私達のために外国で働いてるんだから。


私がわがまま言って言いわけないじゃない。


「須藤?」


「あ、ごめんね。なんでもないよ」


月影くんはじろじろと私を見つめてぶつぶつなにか言い始めた。


「ど、どうしたの…?」


「推測ですが、…須藤って東道の事好きなのですか?」


眼鏡をくいっと上げて少し真剣な表情を見せる月影くん。なんだかドキドキしてきた。