想いを残した距離に

私がそう言うと東道くんは私の当たった手をぎゅっと自分の手で握りしめた。


「あ、の…」


「みんなには内緒な」


少し赤みが掛かった頬を私に見せながら
いつもの笑顔でそう言った。手に伝わる東道くんの体温。
今までに感じたことのない温もり。


東道くんに手を離す気配がないことがなんだか嬉しくて私もぎゅっと東道くんの手を握った。


ねぇ…少しでも期待して…いいかな?
私は東道くんの隣に居たいよ…。
これからもずっと…。


こんなことを思ってしまう私はきっと病気にかかっているんだろうな…
恋っていう…治らない病に。


『では、これより…七夕の最後を飾る花火を連続で打ち上げたいと思います。皆様、お願いごとは決まったでしょうか?』


遠くの方からそんなアナウンスが聞こえた。 


願い事か…七夕だもんね…
願ったら叶えてくれるのかな?