想いを残した距離に

やっと人混みを抜けたと思ったら会場から少し離れた場所に私達は出ていた。 


「あれ?会場から離れちゃったよ…?」


私がそう聞くと月影くんが残念そうな顔をしながら私に言ってくれた。


「人が多くて花火どころじゃないんです。で、僕らで決めた結果この辺で見るのが最適化かと」


確かに花火を見る前にみんな人混みで潰されちゃうもんね。ここに来るのも納得。


「そうだね…」 


小さな声で私は返事をした。


でもやっぱり花火なんだもん…近くで見たかったな。


私は少しでも近くで見たくてみんなのいる場所から少し離れた場所へと移動した。


移動したあと、ふと空を見上げた。
すると、1輪の火花が夜空に舞った。


「綺麗…」


私の目には色とりどりの花火が映る。
赤や黄色、緑に青色の花火。
形は普通の丸だったりハートだったり時には向日葵だったり
今この時間、とても綺麗な夜空が出来上がった。


「綺麗だな」


花火の音が混じる中、私はそんな声を耳にした。隣を見ると笑顔で花火を見ている東道くんがいた。


「うん…とっても…」


私は力を抜いてリラックスすると、東道くんの手が私の手に当たった。
  

「あ、ごめん…」