想いを残した距離に

私はゆっくりと微笑んで口を開いた。


「先に水の中に入れたほうが金魚はうまく釣れるんだよ」


私はそう言い、水の中に入ったポイで赤い金魚を追いかけてすくった。


「すごーい!」


結はニコニコ小さな拍手をした。


「じゃ、私も」


私がすくってすぐ、望が私と同じように
金魚をすくった。


「望もすごっ!」


「水温は約15度。金魚は1秒に3センチ進むとしてポイを入れたあと…」


「望、ストーップ!全然わかんない!」


「そうか?」


「よーし!私もやるぞー!」


結は裾はめくり金魚とにらめっこし始めた。そして一気にポイを水の中へと入れた。


「はぁ…」   


結局、金魚すくいは
私が5匹。望が6匹。
そして結は…0匹という結果になってしまった。


「結、元気出してよ」


どう見てもテンションが下がっている結。


「なんで同じ人間なのに私はすくえなかったのか…」