想いを残した距離に

「きゃっ!」


私はその手を払ってしまい、一歩後ろに下がった。


「なんだよ…助けたのに」


「あ、ごめんなさい…びっくりして…」


心臓の音がしっかりと聞こえる。
まるでもう少しで飛び出るかのように…。


「でも…ありがとう…」


「…ばーか。素直すぎんだよ」


東道くんはそう言うと私の髪の毛をクシャッとした。そしてその後ゆっくりと撫でられた。


「な、なんで馬鹿なの…?」


私は鈍感だからなのか、なぜそう言われたのかなぜやられたのかなんてわからなかった。


「なんでもねーよ。ほら、置いてかれるぞ」


「あ、うん!」


きっと想いを伝えてしまったらこんな楽しい日々を過ごせなくなってしまうんだ。
だから何があっても想いなんて伝えてはいけないんだ…。