想いを残した距離に

手紙を出したその後、風邪が悪化したのか
熱が上がってしまって教室に行くこともなく保健室行きになってしまった。


親も家にいないため、私は放課後まで保健室で過ごすことになった。ちなみに今は休み時間。


「なんのために学校に来たんだろ…」


東道くんはあの手紙…どう思ったのかな?
どうしよう…今度からどんな顔すればいいの?


私は頭が爆発しそうだったので保健室の薔薇の香りが引き立つ布団を頭からかぶった。


「須藤?」


たった布団をかぶってから数分。私の枕元で誰かの声がした。
その声も誰だかはなんとなくわかってたけど…。


私はゆっくり布団から顔を出した。


「東道くん…」


「えっと?何やってんの?」


「か、カタツムリ?」


東道の質問にとにかく答えようと適当にカタツムリなんて言う。


「ぷっ!カタツムリって須藤も意外なことするんだな」


すると、東道は目の前で笑い始めた。
私はその時やっとカタツムリなんて恥ずかしいこと自覚した。


「あのこれは…ち、違うから!笑わないでよぉ〜」