想いを残した距離に

「そ、そんなことないもん…ただ、怖くて…」


そんなことを手前では言ってるものの
心の中では「ごもっともです」なんて認めちゃってる。やっぱり心は正直だ。


「別にいいじゃん。付き合わないでって言えば。何がそんなに駄目なわけ?」 


私が人の幸せを壊していいはずなんてないんだもの…。


「東道さんだってねーちゃんがモジモジしてる間にその清水ってやつに取られちゃうぞ」


なぜ弟の海に恋のことを教わってるのやら…。普通は教える側のはずなんだけど。


「そ、うなるよね…」


「ねーちゃんは素直な気持ちをしっかり伝えることだね」


「わ、わかった。明日伝えてみる…よ…」


「じゃ、解決したね。俺はこれ片づけてくるから」


海はそう言うと私が食べた食器を持って私の部屋を後にした。


「はぁ…」


私はなんだか気が抜けてベットに倒れこみ
ゴロゴロと転がり始める。


なんかさらっと明日なんて言ったけど大丈夫かな?でも本当に言っていいの?私…。


東道くんを目の前にしてそんなこと言える気がしなくなったので
私は手紙で伝えようと考えた。


「言わなきゃ…後悔したくないからね」


私はベッドから降りて勉強机の2段目の引き出しから桜が描かれている便箋を取り出した。