想いを残した距離に

「何で閉める!?」


「わ、私…部屋着のままなので…恥ずかしくて…」


「いや、別にいいって」


私が顔を上げるとたった10数センチ先に東道くんの顔があった。


顔が暑くなるのを感じる。
きっと真っ赤なんだろう。


「んん?この子が須藤ちゃん?」


目の前に東道くんがいて気づかなかったけど東道の後ろには清水先輩が立っていた。


「し、みず…先輩…」


「あら〜こんにちは〜幸の彼女でーす」


清水先輩はそう言うと東道くんの手を私に見せつけるかのように握った。


「…家の中に家族は?」


「いない…よ…」


「そっか。そばにいてやりてぇけど先輩いるから俺帰るな」


「うん…わざわざありがとね」


東道くんと清水先輩は私に背を向けた。
すると、清水先輩はもう一度私の方を向いてニヤッと口を尖らせた。
まるで私に勝ったとでも言うかのように…。


「もう。いつになったら名前で呼んでくれるのぉ?」


「すいません。じゃ、結城さん」