想いを残した距離に

「ん?誰が誰のことが好きなんだ?」


すると、結の後ろにはひょっこり顔を出した東道くんが立っていた。


「別にーこれは女子同士の話だもーん」


「別にいいじゃねぇか」


「いやだぁ〜。あ、先輩は?なんの話だったの?」


東道くんは少し照れた顔をした。


「あ?告白されたんだ」


「嘘!?」


告白と言う単語に私達はみんなで驚いた。


「付き合うの?まあ、あんな美少女じゃーね。って渚は!?」


「渚は関係ないだろ!まあ、美人だし優しそうだしな…放課後までには返事しねぇと」


“渚は関係ないだろ”


私には関係ない…その言葉に私の胸は痛みを感じた。


「なぁ、須藤はどう思う?」


「わ、私が…決めることじゃ…ない…から…」


その言葉を最後に今日の午前中は東道くんと話すことはなかった。