想いを残した距離に

「あ、東道く〜ん」


みんなと話していると廊下から東道くんを呼ぶ声が聞こえた。みんなでその方を向くとそこには清水先輩が手を振っていた。


「なんか呼ばれてる。ちょい行くわ」


そう言うと廊下の方へ向かったいった。
そんな姿を見て私は少し苦しくなった。


「渚も大変だよね〜」


「え?なんで?」


「恋のライバルがたくさんいて」


「え?恋のライバル?なに?それ…」


「鈍いなぁ〜」


私は結の言ってることがいまいちわかってなくて頭から煙が出る。


「は?私もわかんないんだけど」


そう言ったのは望だった。望は不思議そうな顔を結に向けている。


「ええーふたりとも鈍感〜つまんないよぉ」


私と望は顔を見合わせて頭を傾けた。


「渚さぁ〜東道のこと好きでしょ?」


「ス、キ?なんで?私が?」


聞かれていた私は逆に聞き返す。


「ええ!?違うの?仲いいし、よく話してるから好きだと思ったのにー」