「何?これ全部ラブレター?」


結は東道くんの机の上にある大量のラブレターに気づいたみたいだ。まあ、こんなにあるんだから気づかないほうがおかしいかも。


「まあ…」


「すごいね。しかもこれほとんどが3年の清水先輩からじゃん」


よくよく見ると、確かにほとんどが3年の清水先輩からの手紙だった。ご丁寧に名前の後ろにハートなんか書いて…


本名は清水 結城(シミズ ユウキ)。清水先輩はなんでも学校のマドンナで何人も彼氏がいるとか…。顔は可愛いし、話は合うみたいだから付き合ってる人が何人もいてもおかしくはないけど…


「ったく…こんなに送られても困るんだよな…帰るの面倒だし…」


「もしよかったら帰る時も手伝うよ?」


「まじ?それは助かるわ」


「なんていうかさ…東道って渚に出す表情と私達に出す表情違うよね」


結と望はふたりで顔を見合わせた。


「それは言えてるわ。渚にはよく笑顔を見せるしな」


なんで私なんだろう?


「別に何でもいいだろ」


私はその時、東道くんに気を取られて過ぎて結がめっちゃニヤニヤしてるのなんて気づきもしなかった。