想いを残した距離に

「渚の好きな花を持ってきたの。まあ、お墓には似合わない花だね…」



結は彼岸花を渚のお墓に置く。

確かにお墓には似合わないけれども
渚にはぴったりだ。



「でもいいんじゃないか?彼岸花…綺麗だ」


「まあまあ、早くお祈りしちゃいましょう」



俺達はしゃがみこんで両手を重ねる。



渚…久しぶり。
しばらくここに来なかったからなぁ。

寂しかったか?
今日はみんな連れてきた。


望と春人は相変わらずだよ。
うまくいってんのかいってないのか…。

望はもうすぐ大きな裁判があるんだって。

春人は渚と同じ病気の人を治してきたんだって。


大河と結はもうすぐ結婚式あげるんだってさ。

大河が昇進すると同時だって。



俺は…相変わらずだ。
渚をずっと愛してる。




「幸…はほんと、長いよな」


俺は目を開けて笑う。


「長くてすみませんでしたねぇ」