あれから数年が経った。
俺は大学を主席で卒業した。
そのおかげか卒業1年で高校の担任になることになった。


俺の担当は英語。
渚が一番好きだった教科だ。

正直、英語は一番苦手だった。

でもなんだか渚に頑張れって言われてるような気がして英語の教師にした。



「東道先生〜」



俺のクラスは人気者がいっぱいだ。
俺のクラスの瀬戸と言ったら昔の俺を見ているかのようだった。

とにかく女子に囲まれていた。



あいつもいつか俺のように恋をする。
そう思えてならない。




『幸』
「先生」



「渚?」


俺がそう呟くと彼女、中島さんは頭をかしげていた。



「あ、すまない。こっちの話だ。えっとこれだな」



中島さんに一瞬だけ渚の面影を感じてしまった。



渚、お前は今空で何をしている?
夢だった医者にでもなってるか?
って…死んでるのに医者も何もねぇよな。



俺は教室に誰もいなくなってから静かに涙を流した。