想いを残した距離に

『月影 春人様へ


春人に出会ったのは大河と私が話していた時でした。


最初は喋り方から怖い人できっと私のようなおじおじは嫌いなんだろうなと思っていました。


でも喋ってみて一緒に過ごしていてそんな人じゃない。人は見た目で判断しちゃいけないのだと知りました。


夏休みに、私が幸を好きだということがバレた時は焦ったよ?本当に。


でも春人も普通は言わないことを言ってくれた。あれは優しさだったんだよね?


思えば春人とは一番話すことが少なかったんじゃないか…と後悔しています。



ウェディングドレスをくれた時は何を言えばいいのかもこれからどう感謝していかなきゃいけないのかと困ったよ。


春人には返しきれないほどの恩がある。


数少ない会話の中でも私をどん底から引き出してくれたりしてくれたことを心の底から本当に本当に感謝してるの。



そういえば春人は自分の将来の夢で迷っていたよね?親からは警察官になって立派に育ちなさいって。でも私は自分の気持ちに嘘はついてはいけないと思う。


春人がやりたいのは医者なんでしょ?


なら頑張ってほしい。

私のように治らない病気も治せるようなそんな先生になってほしい。

本当は私ね、医者になりたかったんだよ!


今までありがとう。
今、私から春人に夢を託します』