なんとなくわかってたんだ。


結婚式のあの日…渚の足はふらついてたし、顔は青白かった。


渚もきっと死ぬことを覚悟していたんだと思う…。


でもなんでこんな幸せな日に特別な日に
渚は俺の手をすり抜けたんだろう…。


「退いてください!すぐに手術を!」


「担架を今すぐ!」


俺はすぐに渚から離れなきゃいけなくなった。看護師たちがそうさせた。



幸せそうに目を瞑る渚は担架に乗ってすぐに移動していく。



ウェディングドレスを着て手術って…こんなことはあるんだろうか。



「渚…嘘だよな?」


大河も春人もみんな泣きそうな顔をしている。


それでも信じたくないんだ。



渚が最後に俺のことを好きだと言ってくれなかったことは…。



わがままなのは知っている。
でも好きって言って欲しかった…。


「渚…死ぬなよ…頼むよ…」


手術は8時間にも及んだ。