想いを残した距離に

後ろを振り向くと優しそうな顔をするお母さんと海が立っていた。


「お母さん…」  


いつの間にか結と望は退散していて久しぶりの家族3人になった。


「おめでとう。渚。辛いこと苦しいことをたくさん乗り越えたんだね。みんなから聞いたんだよ」


「うん」


「成長したのね。私が知らないうちに渚がこんなに可愛くたくましく成長した。本当に嬉しいの」


「うん」


「お母さんね、お父さんと離婚した時本当は死にたいくらい辛かったの。でもね、渚達がいてくれたから頑張れたんよ。全部、あんたたちのお陰なんだよ」


お母さんったら今にも泣きそうじゃん。ももう…私も泣きたくなっちゃう…。


「今だから言えるの。渚、海、お母さんの幸せのために生まれてきてくれてありがとう。お母さんを支えてくれてありがとう。ふたりでお母さんなしで生きていて元気でいてくれて成長してくれてありがとう。お母さんはあんたたちのお母さんで本当に幸せよ」


泣きたい。
泣きたいけどメイクを駄目にしちゃダメ。
これから結婚式なんだから。


「ねーちゃん。俺のねーちゃんでいてくれてありがとう。優しくしてくれて面倒見てくれて俺のために毎日頑張ってくれてありがとう」


海はもう泣いてるじゃん。
馬鹿だなぁ。これから結婚式なのに…。


お母さんと揃って私まで泣かせようとしないでよ…。