想いを残した距離に

「うん。わかった」


だんだん心が落ち着いてきた私は春人の提案を受け入れた。


「渚は病気で自分が死んだら僕達がいつか渚を忘れるんじゃないかって…そう思って心が不安定になってるんですよね?」


うん。図星。そうだよ。


「でもそんなことありません。僕と渚は一番話した回数も会った回数も少ないですけど僕にとっては渚がいたことでいろんなことを学びました」


私も学んだ。仲良くなって春人って呼ぶようになった時も私は色々学んだ。


「忘れるなんて絶対にありえません。忘れたら僕のこと殴ってください。僕からはこれだけです。おやすみなさい」


足音が少しずつ遠くなる。私は重たい足を頑張って動かして扉を開けた。


「春人!ありがとう!」


「そこに僕からのプレゼントがあります。喜んでくださいね」


春人はそう言うと急いで曲がり角を曲がってしまった。


「これって…」


扉の下に置かれていた真っ白で少し大きめの箱。私はそれを拾うともう一度ベットの上に乗った。


「嘘…」


箱を開けるとそこには純白のウェディングドレスが入っていた。


胸元に白い薔薇の飾りが付けられていてパールも付いている。


すごく高いことがすぐにわかった。