「よかった…渚が目を覚ましてくれて」


結は目を赤くしながら私にそう言う。他のみんなもそうだった。


「これで結婚式。できるな」


え?結婚式?


「どういうこと?」


「私達なりの渚達の幸せを考えた。そしたら結婚式が出てきた。もちろん本物じゃないよ?幸せになるための結婚式」


「渚だってしたいでしょ?みんなみんな陰で準備してきたんだから!あと3日でできるよ!」


幸との結婚式は確かに嬉しい。
でもなんでこんなに素直を喜べないんだろう。


私って最低…。


「ありがとう」


なんで嬉しいと思わないの?幸との結婚式なんだよ?嬉しいじゃん。これからも愛される証拠に…なるじゃん…。


「渚は病室に戻ってて。私達は準備があるから!」


「あ、うん」


私はみんなと別れ、看護師さんに車いすを押されながら自分の病室に戻った。


「では、須藤さん。なにかあったらナースコールでお呼びくださいね。夜遅いので早く寝るように」


優しそうな看護師が車いすを片付けて部屋を出ようとした。


「あ、あの…」


私のその言葉で看護師さんは動きを止めて私の方に振り向いた。