泣いている途中わかったことがある。
それは死ぬことが怖いことだ。


結や望にもう会えないこと。
ふたりと一緒に遊べないこと。
春人に勉強を教えてもらえないこと。
大河と喧嘩できないこと。
幸ともう幸せになれないこと。


二度とみんなと笑い合うことができないこと。


突然怖くなった死ぬことが…私の心を強く強く壊していった。


「…っ」


その瞬間、私の頭に強い痛みが走った。
私は苦しくて辛くて望から離れる。


「はぁ、はぁ、はぁ…」


いや…痛い。まだ死にたくないの。


「渚!渚!」


あれ?いつの間にか私…地面に倒れてる?
声が出せない…もう痛みも感じない…。
死んじゃうのかな…。
でもお願い。もう少しだけ…。


「ゆ、き…」


真っ暗…もう何も見えないな。


視界が暗くなる中、私は地面に落ちた銀色の指輪に手を伸ばした。


私の大事な指輪。
私の無くしたくない指輪。
もう手放したくない指輪。


「「「「「渚!」」」」」


みんなの声だ…みんなの声…。
誰の声?私の大事な人の声だよ。


まだ生きたいのにまだ生きたいのに…もう二度とみんなと会えない気がするのはなんだろう。