想いを残した距離に

そして幸は私のおでこにそっとキスをした。


ずるいなぁ…本当に…。私にこんなにものたくさんのたくさんの幸せをくれて…忘れんなよなんて…本当に酷い人。


「じゃあ、今度こそ戻るぞ。準備はいいか?」


「うん」


私のこの小さな命はいつ消えるのかな…。
消えたくないななんて…願っていいのかな?


「なっぎさ〜」


待ち合わせ場所に着くなり、結は私に抱きついた。大河が選んだプレゼントを身につけて。


「な、なんか嬉しそう…ですねぇ…」


「当たり前だよ!超嬉しい!」


こんな無邪気な笑顔見せられたら言うに言えないよ…。でも言わなきゃ…。


「結、望、大河、春人…どうしても…伝えたいことがあるの…」


なんだか私が口を動かしてるのかわからない気がするな…。


「私、私ね…私は…」


どうしよう…怖い…怖いよ…怖いんだよ…。


恐怖に怯える私を救ったのは幸の手の温もりだった。


「私ね、びょ、病気なの…脳腫瘍っていうね…な、治らない病気…」


みんなはこれをすぐには信じられないような顔をしていた。まあ、当たり前の事なんだけれどね。