想いを残した距離に

「ぷっ。渚ってば頭の上雪だらけ」


唇を離すと幸は私の頭の雪を落としてくれた。


「幸だって…いっぱいだよ?」


私も幸の頭の上の雪を落とす。


「戻ろうか…」


「あ、待って…」


私は幸のコートの裾を引っ張った。


「そ、その…」


私は鞄の中をあさってプレゼントを取り出した。


「ハッピー…ハッピーバースデー幸…」


恥ずかしくて私はうつむいた。きっと雪が溶けるくらい私の顔は熱い。


「俺、誕生日って…言った?」


幸は顔を真っ赤にして私のプレゼントを受け取った。


「大河から…聞いて…ごめん。幸よりはすごくすごく小さいものだけど…作ったの」


「あ、ありがとう…開けていいか?」


「うん…」


幸は私のプレゼントを見て何か思ったのか黙り始めてしまった。私は気に入らなかったと思いただ地面の雪を見つめる。


「あ、ありがとう…」


「ごめん。要らなかったら…捨てて」


あー恥ずかしい…。


「要らないわけねぇだろ。すっげぇ嬉しい。ありがとう」


幸は早速私のマフラーを巻いた。


「…渚。ありがとな」