想いを残した距離に

「渚、幸。こんばんは。寒いな」


いつもの分かれ道で望と春人に会った。大河は結を迎えに行くって言ってたから今はここにいない。


「うん。春人とは久しぶりだね」


「ですね。なかなか会えなくて寂しかったですけど」


春人は知らない間に背が伸びたかな?


「望とは会わなかったの?」


「本当にたまにですよ。会ったとしても図書館くらいですね」


「ほぉ〜図書館デートってか?」


「「はぁ?」」


望と春人は息を揃えてそう言った。


「なわけないでしょ。私ら、まだデートなんてしたことないわ」


「図書館で会ったのはたまたまですよ」


あれ?でも望と春人の家の近くに図書館なんてあったっけ?


「どこの図書館?」


「月見ケ丘図書館ですよ」


私が望の方を向くと望は頬を赤くしていた。


「ふふ…おもしろい」


「なんでそこで笑うんですか?」


春人も私と似て鈍感なんだね…。
夏休みに私が幸くんが好きだってことに気がついたのに。


月見ケ丘図書館は望の家からは遠いんだよ。それに望の家の近くには別の図書館がある。