想いを残した距離に

大河はそう言うけれども顔は真っ赤。望の言ったことは図星だったようだ。


「じゃあ、これにしなよ」


私はふたつの銀色のネックレスを渡した。


「これはサンプルなんだけど…指輪に文字を彫ってネックレスに通すの。最近話題なんだって。まだ結婚できない人とか指輪なんて付けたくないけど指輪は欲しいとかそういう人がよく買うの」


私も幸くんから貰った指輪は時々しかはめない。だってまだ高校生の私がつけてるなんて恥ずかしいから…。いつもは肌に離さず鞄の中に入れている。


「これ、いいな!」


「でも高いよ?これ…いいの?」


自分で勧めたのはいいけど指輪15000円って書いてある。正直、大河がこんなに大金を持っているとは思えない。


「平気。指輪だけならバイト代で買える」


「え、なに?バイト始めたの?」


「まあな。近くのレストランでな。金には困ってねぇけど自分のお金でこういうのは買ってあげたいじゃん?」


望と私は見つめ合って爆笑した。


「なんで笑うんだよ!」


「だって…だって…好きすぎて頭おかしんじゃない?独占欲の塊ね。笑っちゃうわ」


望なんかいつもはこんなに笑わないのにすごく楽しそうに笑っている。


「う、うるせぇな…そういう望は…春人とどうなんだよ…」


「どうって…春人とは相変わらずよ。喧嘩多いわ。付き合ってるって実感がない」