想いを残した距離に

「これからもずっと思い出を作っていきたいな。絶対に忘れない…そんな思い出」


「うん。私もそう思うよ…」


「…渚はいつか死ぬかもしれない。でもそれは俺も同じだもんな。好きだよ。渚。これからもずっと…ずっと」


幸くんは私に小さなキスを落とした。


「私も好きだよ…大好き」


どうして神様はこんなに酷いんだろうね。こんなに幸せなのにもうすぐ消えてしまう私の命…。この命が消える前に私ができることってあるのかな…。


「俺は……………になるよ」


「え、なんて?」


「ううん。何でもねぇよ」


幸くんは大きな身体に私を包んでくれた。幸くんの中は暖かくて安心できて優しい気持ちになった。


こんな人に出会うのは運命なんだね。そして私が死んでしまうのも運命なんだね。この思い出は全部運命…。結や望が付き合ったのも…お母さんが帰ってきたのも…幸くんと出会ったから起きた運命なんだね。


「ありがとう…」


「馬鹿言うなよ。俺の方こそありがとう」


その日、私と幸くんはいつの間にかそこで寝てしまっていた。気がつけばお母さんは好きな時間に帰っておいでと伝言を残して帰ってしまっていた。


でもそれに気がついたのは私が起きた朝の7時のことだった。