想いを残した距離に

「それで…渚ちゃんはなんで私達に言おうと思ったのかな?」


「私の覚悟あってで話そうと思いました」


「覚悟?」


幸くん達ならまだしもお母さんまで頭をかしげている。


「病気のことをちゃんと話して最後まで生きようと思ったからです。話さずに死んだら私はきっとみんなから恨まれます。私は幸せなままどこかへ行きたい。だからお母さんが帰ってきた今、一番最初に大事な人とその親の方にどうしても話したかったんです…」


こんなこと言うといつもは緊張するのに今は全然しない。むしろ清々しい気持ちになる。


これでよかったんだ…。


「渚…じゃあ、俺も覚悟の約束をする」


「え、覚悟の約束?」


「渚のことをずっと愛し続けるってことを渚の覚悟の上で約束する」


幸くんは私に真剣な眼差しを向ける。


「幸。渚ちゃん。親同士で話したいことがあるから上の階に行っててもらえるかな?」


「…わかった。渚、行こうか」


私と幸くんは立ち上がって幸くんの部屋に向かった。


「お母さん達話したいことってなんだろうね」


「さぁな」


「…なんか怒ってる?」


「別に?」