想いを残した距離に

「じゃ、私達も行きますか」


ここからの道は私、望ちゃん、月影くん、東道くんのメンバーで帰ることになった。

私と望ちゃんは特に話すこともなくただ一本道を歩いている。後ろにいる東道くんたちからも話し声は聞こえない。


「あ、渚ちゃん」


望はそう言うとある分かれ道で止まった。


「うちこっちだから」


望ちゃんが指を指したのは私の帰り道と逆の道。


「そうなんだ!また明日ね!」


「うん」


望ちゃんは私に背中を見せるとゆっくりと歩き始めた。すると、その後ろを月影くんが歩いて行くのが見えた。


「つ、月影くんも?」


私は月影くんにそう聞いた。すると、くるりと回転してこう言った。


「ええ。また明日、須藤」


月影くんは薄暗いオレンジ色の夕日をバックにして私に笑いかけた。私はそんな彼を素直にかっこいいと思ってしまった。


「須藤だっけ?」


私がふたりを見送っていると後ろからまた透き通るような声が聞こえた。