想いを残した距離に

「そんな…!お母さんは私達の為に働いてるんだからいいんだよ!」


「お母さんね。もう外国へ行かなくても良くなったの。だから渚と海とこれから一緒に生活できるのよ」


「え…本当に?」


お母さんはニッコリと笑った。
嬉しさがこみ上げてきた。
心のどこかに空いたぽっかり穴が少し埋まった気がした。


「だから家事は全部やるわ!渚は休んでてね」


「ありがとう…」


泣きたいくらい嬉しいのになんだろうこの気持ち…怒ってるようなそんな感覚。


「ただいま〜お客さん来てるの?って母さん!?」


海は帰ってくるなり驚いて尻餅をついた。


「おかえり。海…」


海は少し驚いた表情を見せたあと涙を流してお母さんに抱きついた。


やっぱり…寂しかったんだ。
そうだよね。
私だけじゃ頼りないもん。


「今日はたくさんお話しましょ」


その後、お母さんは豪華な料理を作ってくれた。久しぶりに3人で囲む食卓は何よりの幸せだった。


「それでどうなの?彼氏とか出来た?」


ご飯を食べながらウキウキした様子で聞いてくるお母さん。


「ま、まあ…できた…かな」