「渚は?」


私か…私の幸せはみんなといることだった。でも今は…


「長く生きること」


「長く生きる…?なんじゃそりゃ…」


「いろんな人の話を聞いて長く生きることって一番幸せなことなんだなって思ったの。長く生きればその中にまた幸せがある。長く生きれば幸せが続く。だから私の幸せは長く生きることなの」


すごいね。
考えてもないのに難しいことをペラペラ言っちゃった。これはなんのせい?


「一番幸せって生きることかもな」


「そういえば…今日って進路相談とかあったよな?」


「あ、うん。あったと思う」


進路相談か…。
あまり気にしてなかったけど病気になった時って先生に言ったほうがいいのかな?
普通はお母さんとかが言うんだろうけど…。


「俺、何になるかなぁ…」 


「総理大臣…」


「馬鹿かよ。そんなのになってたまるか」


幸くんは私の頭に軽くチョップした。


「似合うと思うんだけど…」


「やるなら…学校の先生かな?」