空に飛行機が見える。
青い空に真っ白な飛行機。


お母さんもあれに乗って私達から離れてしまったのか…。


『ごめんね』


なんで最後に会ったときのお母さんの顔が
泣いている顔なんだろう。


「お母さん…」


海が電話したあとからなんの連絡もない。
折り返し来るかなとか勝手に期待したけど
そんな期待ももう薄れている。


「渚。おはよ」


「幸くん。おはよう」


私の大好きな人。
私が今一番愛している人。


「なんだ?空なんか見て」


「ううん。なんでもない。いい天気だなって思って」


ねぇ、幸くん。あなたが今一番私から欲しいものはなんですか?


「確かに綺麗だな」


私が消えたら悲しみますか?
私はまだ幸くんの側にいていいですか?


「幸くんの幸せは何?」


「俺?俺は…母さんの分まで生きることかな。そんで渚と幸せになる。とか?」


満面の笑顔でそういう幸くん。
私はこの笑顔を奪ってしまうのだろうか。


「いい幸せだね!」