想いを残した距離に

「なんで!?」


「天気予報でこれから雨が降るって言っていました。空見てください。暗いでしょ?」


月影くんは空に人差し指を指した。私もそれにつられて空に目線をずらした。

見ると、空はさっきよりも暗くなっていて今にも雨が降りそうだった。


「そうね。傘もないし私も用事があるから帰るわ」


「しっかたねーな。じゃまた遊ぼうぜ!」


大河はそう言うといつも帰る道とは逆の方向へ体を向けた。


「大河?」


「わりぃ。今日は弟の迎えしなきゃいけねーんだ」


「そうなんだ。なら仕方ないね」


私はそう言って笑った。よくよく見ると大河の行く道は結の帰り道と一緒の方向。
結にとってはラッキーなことだ。


「な、渚ー!うち…!うち…!」


それを知った結は私に焦る様子を見せる。


「頑張って」


私はしっかりと笑顔を見せて応援の言葉をかけた。


「おーい!獅子村もこっちなんだろ?一緒に行こうぜ〜」


「う、うん!」


そう言うと結は元気よく走って大河のもとへと向かっていった。