私は人混みから少し離れて小さく息を吸った。


「渚」


私はその声に反応して後ろを向いた。


「おっはよ〜」


そこにいたのは高校1年生からの親友
獅子村 結(シシムラ ユイ)。綺麗に巻かれた茶髪のポニーテールが特徴。


更に校則を破らない程度の可愛らしいメイクに制服もきっちり着こなしている。

誰がどう見ても美人という単語しか浮かんでこない。

そんな結は私に元気のいいアイサツをするとメイクをした可愛い顔で微笑みかけた。


「お、はよう」


朝から眩しすぎる人を見たせいか私は笑顔が少し崩れる。


「もうクラス分け見た?」


「見たよ。5組だった」


「本当!?私まだ見てないんだぁ〜ここで待っててもらってもいい?」


「いいよ。いってらっしゃい」


結は私に真っ白な歯をニヤッと見せてポニーテールをふりふりさせながら掲示板へ走っていった。