想いを残した距離に

私は自分から現実を言ってしまったことを深く後悔した。


「ねーちゃん…俺になんかできることない?よな…」


真っ暗な部屋で今にもおかしくなりそうな私に声をかけるのは海。


「ねぇ、海…なんで私なんだろうね…ただでさえこんなに大変な家庭なのにさ…海だってまだ中学生だよ?ひとりでお金まだ稼げないんだよ?なんでなんだろう…ね」


声が震える。


「ねーちゃん…もしかして…俺のこと嫌いになった?」


「え?なんで…?」


「だってさ、ねーちゃん最近彼氏出来たのにさ…彼女もいない、家庭の足しにもならない、自分のやりたいことだけやってる俺は辛い思いしてねーんだもん」


海だって泣いてるよね?
だって階段の電気が顔に反射してるよ?
頬のあたりが電球みたいに…


「さっきも言ったけど海は何も悪くない。悪いのは病気。私は誰も恨んだりなんかしないよ…」


ただひとり恨むなら自分を恨みたい。
海にこんな重荷を背負わせてお母さんの大事な時期にこんなこと言って…
私さえ病気にならなかったらこんなことにはならなかった。