想いを残した距離に

「嘘じゃねぇって…何がいいかすっごく迷ったんだぜ?」


幸くんは私の右手を取ると薬指にリングを通した。


「な、なんで右手?」


「左手はちゃんとした指輪通すからそれまでの予約」


「う、うん…ありがとう」


指に光り輝く指輪。私は嬉しくって仕方がなかった。


でもその反面…私の心奥底には真っ暗闇があった。その真っ暗闇は病気に負けそうな私の心。


死にたくない…でも死ぬかもしれない…
こんなものまでもらったのに私死ぬなんてそんなのやだよぉ…


「渚?」


「う、ううん。嬉しすぎて…」


咄嗟の嘘。
弱気になりすぎている私の心はもう少しで折れそうだ。


「なら、よかった。ほら、12時まで渚の誕生日だろ?遠慮無く俺にエスコートさせてもらう」


「うん!ありがとう」


「なぁ、渚。いつか俺と結婚してくれない?世界で一番幸せにするし一生かけて渚を愛す。なにがあっても負けんなってずっと励まし続けるから」


「…もちろん!」


ごめんね、何弱気になってんだろ私…
そうだよね。まだチャンスはある。
私ちゃんと治すよ。
その約束絶対に守るからね。


幸くんはニコッと笑って私の指輪にキスをした。その後、12時を過ぎるまで私は幸くんにエスコートされた。レストランを出て綺麗なイルミネーションを見たり、近くの砂浜を歩いたり…