想いを残した距離に

周りを見るとみんな華やかな服を着ている。ドレスワンピの人もいれば着物の人もいる。白いマキシワンピに可愛いカーディガンを着たThe普通の私なんて場違いって感じ…


「美味しい…」


柔らかいお肉は口いっぱいに広がって肉汁が溢れだした。こんな柔らかいお肉なんて初めて出会ったかもしれない。


「渚すっげぇ可愛い…」 


じろじろ見つめる幸くん。


「っ!!??や、やめてよ…恥ずかしいよ…こんなの周りのみんなに比べたら…」


私は何回も首を横に振って顔を手で覆い隠す。


「みんなと比べるんじゃねぇーよ。俺は渚の全部が好きなんだからよ。まあ、周りから見ても渚は可愛いと思うけどな」


幸くんの頬が真っ赤…。


「う、うん…ゆ、幸くんも…かっこいい…よ…」


王子様みたいに…ね。


「はいはい俺はいいから…渚。これからもずっと…一緒にいような」


「うん…」


ごめんね。
一緒にいられるかはわからないんだ…もしかしたらもう終わるかもしれないんだよ…私の勘がそう言ってる…美味しい食事を済ませるととてもロマンチックな雰囲気になった。というか幸くんがそうさせた。


ドキドキと胸の音を鳴らしながら私は幸くんを見つめる。


「渚。誕生日おめでとう。まだ安いやつしか買えないけどいつか本物買うから」


幸くんの手の上に乗るのは可愛らしいピンクの入れ物に入った銀色のリングだった。


「嘘…幸くん…」


涙が出るかと思った。