想いを残した距離に

真っ暗な道を手を繋ぎながら歩く私達。


「昨日はゴメンな。まじで…ごめん」


「大丈夫だよ。幸くんだって大変だったんでしょ?」


「それでも病人の渚放っておくとかまじで…最低だよな…彼氏のくせにさ…」


「彼氏だからとか関係ないよ。私は顔が見れただけでも嬉しかったし…わざわざ家まで来てくれたことも嬉しかったんだよ?だからそんなに責めないで…お願い…」


“昨日、あのあとどうしたの?”


違う。そんなこと聞きたくないよ…なんで心は聞こうとしてるの?駄目だからね?
絶対…言わないでね…?


言おうとしている自分にすごくすごく腹がたった。


「わかった。じゃ、渚の誕生日パーティー2弾始めよっか」


「2弾?」


「昼は獅子村達が、夜は俺の独占。誕生日ぎりぎりまで渚と一緒にいたいからな」


「う、うん…」


すごく恥ずかしいな…独占なんて…さ…


「あ、あの…いいの?このお店高そうだよ…?」


電車に乗って連れて来られたのは雑誌とかでも有名なホテルのレストラン。なんでも一品5000円超えは当たり前だとか…


「今日は誕生日って言ったろ?いいんだって。気にすんなよ」


気にすんなよって言われても…


結局、私はそういうところを遠慮してしまい、一番安いメニューを頼んでしまった。


「本当にいいのか?」


「大丈夫だよ。私こういうところ初めてだからまずは…ね?」