想いを残した距離に

みんながクラッカーを鳴らした。クラッカーから出た紙のリボンが私の頭の上に落ちてきた。


「じゃ!ケーキ食べよっ!」


結が真っ白な箱から可愛い盛り付けをされたタルトケーキが姿を現した。


「ありがとう。ごめんね、私のために」


「みんな渚が好きで祝ってるんだ誰のためにとかあるわけないだろ」


結…望…。


その日、午後5時ぐらいまでみんなで私の家で楽しく遊んだ。学校のこと成績のこと。いつもの他愛のない話をいつまでも
ずっと…少しカップルに挟まれて憂鬱だったんだけどね。これは私の大事な思い出。
でもこれが私の最後の誕生日の思い出なのかもしれない。いや、そんなこと思っちゃいけないんだ。


「じゃあね、渚」


「うん!ありがとう」


みんなが夕暮れの空の下を歩いて行った。私は姿が見えなくなるまで見送ると扉を閉めて扉の下に座った。


「みんな…ありがと」


時々頭が痛くなったり吐き気がしたり少し痛い目にあったけど…ね。6時40分…もうすぐ幸くん来るかな?私はだるい身体をゆっくりと起こすと自分の部屋に行き、今着ている服から別の服を探して着替えた。


そろそろ来るかな?


「渚…」


そして幸くんがやって来た。かっこいい服着こなして王子様みたいに…
その時に限って頭が痛くなったりしたけど私はとにかく笑顔でいようと決めた。


本当は作り笑顔なんてしたくもないのに…


「じゃ、いこっか」