想いを残した距離に

「嘘つけ。渚って嘘つくときそれしか言わないよな」


「…」


「それは渚がまた傷つくことなのか?」


私は首を振った。


「もしかして…親のことか?」


私は戸惑いながらも小さく頷いた。
幸くんのほうが辛いのに…家族のことなんて私なんかよりずっと辛いのに…
私の口は勝手に動いた。


「なんで…知ってるの…?」


「いや、知らねぇけど…流れ的にかな…」


そっか、わかっちゃうんだね…
内緒にしてたんだけどもうする意味がないよね…幸くんのことに比べたら笑っちゃうくらいどうでもいいことなんだけど。


「わ、私の親はね…離婚してるの。お父さんの浮気が原因でね…そしたらお父さん…お母さんの名前でお金借りまくって私達の家に残されたのは離婚届と借金だけだったんだ…で、お母さんはお金を返すために今外国にいるの…」