想いを残した距離に

「あ、無理だった?ごめん…止めたりして」


海には家にあるお弁当食べてもらえばいいよね…ごめんね海。私は今、幸くんと一緒にいたい気分なんだ…


「大丈夫だよ!…行く?」


「じゃ、行こーぜ」


私は幸くんに手をぎゅっと繋がれた。
幸くんの手はとても暖かくて病気だってことを忘れさせてくれる。そんな気がした。


「ど、どこ行くの…?」


「今日は前の夜バージョンってこと」


前って…夕焼け見に行った日のことだよね?


「着いた…」


着いた先は車通りの多く、周りのお店が光り輝く交差点だった。そして近くのガードレールの下にはたくさんの花束…


「その花束は母さんのために置かれたものなんだ」


「え?」


トラックのブレーキ音が鳴り響いた。