想いを残した距離に

私はそう言うと泣きわめいている京子達を大河くんを連れて通り過ぎ、病院を出た。


「渚…」


外から見えた渚の病室。私の目に映ったのはキスをするふたりだった。


キスなんて初めて見たから私は少し顔が赤くなった。


「お、うまくいったのかな?」


大河くんもその様子を見ていた。


「だ、だね」


渚…私は渚に会えて本当に良かった。
こんな私だけどもう一度親友だと言ってくれてありがとう。こんな酷い私だけど今度は何があっても渚の味方でいることを約束する。だから今は東道と幸せになってね。


「しっかし…獅子村には驚かせられたな」


「土下座のこと!?だ、だって…渚の幸せは壊したくなかったから…」


「そっか」


風に揺れる大河くんの髪の毛。私は風で乱れた髪の毛を直す大河くんの仕草さえドキッとしてしまった。


「な、なぁ…獅子村…こんな時に言うのはあれなんだろうけど…」


大河くんは私にすごく真剣な眼差しを向けていた。


「な、なに?」