想いを残した距離に

「…そ、うなんだ」


一目惚れ…私も出会った日から勝手に目で追うようになってたから…本当は私も一目惚れだったのかも…。


少しずつ思い出していく楽しい幸くんとの時間。本当に楽しかったんだなと心から思った。


「俺って…結構渚にアピールしてたつもりなんだけどな…手を繋いだりとか…指にキスしたりとか…あんま気づいてくれなかったみたいだけど」


「そ、そうだったの!?ご、ごめんね…」


全然気づかなかった…手を繋いだ時は夏祭りで…指にキスした時は幸くんが家にやってきた時だったよね…てっきり優しさかと思ってたのに…


「それでさ…好きなことはわかったんだけど…付き合ってくれるのか聞いてねぇよ」


「あ、えっと…それなんだけど…付き合うのは少しだけ待ってくれないかな?」


「え…なんで…?」


ごめんなさい。幸くん。どうしても今は付き合うことができないの。


「結と大河が付き合うまで待ってほしいの…すごく気持ちは嬉しいし付き合いたいって…思うんだけど…大河は近いうちに結に告白するつもりだったの。結も大河のこと好きだから告白されれば付き合ってたはずなの…でもこんなことになっちゃって…だから…本当にごめんなさい…!」


ごめんね…幸くん…ふたりの幸せになるはずだった日々を少しだけ消してしまった私にとってのふたりへの償い。


「いつになるのかわかんねぇんだけど…」


「そんなに先の事じゃないと思う…約束があるから…あ、結と大河だ…望達とは合流してないのかな?」